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ROAとROEの違いは?計算式・業種別目安・改善方法を徹底解説

2025年12月22日 最終更新

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ROAとROEの違いは?計算式・業種別目安・改善方法を徹底解説

企業の経営状態や成績を判断するには、財務指標の存在が欠かせません。財務指標を用いた財務分析は、企業側と利害関係者のどちらにとっても重要です。この記事では財務指標であるROA・ROEとその関連用語のROI・ROICについて、それぞれの概要から計算方法まで解説します。財務諸表(貸借対照表・損益計算書)の数値から自社の経営状態を分析する参考にしてください。

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目次
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    ROA(総資産利益率)とは

    ROA(Return On Assets)とは「総資産利益率」のことで、企業が保有するすべての資産(総資産)をいかに効率的に活用し、利益を生み出しているかを示す指標です。総資産には、自己資本だけでなく、銀行からの借入金などの負債(他人資本)も含まれます。ROAの数値が高いほど、資産を効率的に使って収益を上げていると評価できます。

    計算式と意味

    ROAは、以下の計算式で算出されます。

    ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

    例えば、当期純利益が同じ100万円の2社を比較してみましょう。A社の総資産が2,000万円の場合、ROAは5%です。一方、B社の総資産が1,000万円の場合、ROAは10%となります。この場合、B社のほうがより少ない資産で同じ利益を生み出しており、資産活用の効率がよいと判断できます。

    業種別のROA目安

    ROAの目安は、一般的に5%程度といわれています。ただし、この数値は業種によって大きく異なります。例えば、大規模な工場や設備が必要な製造業は総資産が大きくなるため、ROAは低くなる傾向にあります。一方で、IT関連企業のように少ない設備投資で事業を行える業種では、ROAが高くなる傾向がみられます。

    自社のROAを評価する際は、業界平均と比較することが重要です。以下に主要な業種におけるROAの目安をまとめました。

    業種ROAの目安
    全産業平均5%前後
    製造業4%前後
    情報通信業6%前後
    卸売業、小売業5%前後
    サービス業7%前後

    ※上記は一般的な目安であり、企業規模や市況によって変動します。

    ROE(自己資本利益率)とは

    ROE(Return On Equity)とは「自己資本利益率」のことで、株主が出資した資金(自己資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益を上げているかを示す指標です。主に投資家が、投資先企業の収益性や成長性を判断するために重視します。ROEが高いほど、株主の資本を効率よく活用して利益を生み出している優良な企業と評価されます。

    計算式と意味

    ROEは、以下の計算式で求められます。

    ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

    自己資本は、総資産から負債を差し引いた純資産のことで、株主からの出資金や利益剰余金などが含まれます。ROEは、株主の視点から見た「投資の利回り」を示す指標といえるでしょう。

    業種別のROE目安

    ROEの目安は、一般的に10%以上あると優良企業と判断されることが多いです。ただし、ROAと同様に業種によって平均値は異なります。借入金を活用して事業規模を拡大するビジネスモデルでは、自己資本が相対的に小さくなるためROEが高くなる傾向があります。

    自社のROEを分析する際も、同業他社や業界平均と比較することが大切です。

    業種ROEの目安
    全産業平均10%前後
    製造業8%前後
    情報通信業12%前後
    卸売業、小売業9%前後
    サービス業13%前後

    ※上記は一般的な目安であり、企業規模や市況によって変動します。

    【比較表】ROAとROEの違い

    ROAとROEはどちらも企業の収益性を示す指標ですが、その計算の分母が異なります。ROAは「総資産」、ROEは「自己資本」を基準にしている点が最大の違いです。この違いにより、指標が示す意味や、誰の視点で評価するかが変わってきます。

    違いのまとめ比較表

    ROAとROEの主な違いを以下の表にまとめました。両者の特徴を比較し、理解を深めましょう。

    項目ROA(総資産利益率)ROE(自己資本利益率)
    計算式当期純利益 ÷ 総資産 × 100当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
    分母の意味会社のすべての資産(自己資本+他人資本)株主が出資した資本(自己資本)
    分析の視点会社が資産全体をいかに効率的に使って利益を上げたか株主の投資額に対してどれだけ効率的に利益を上げたか
    主な評価者経営者、債権者、取引先投資家、株主
    特徴借入金の多さに影響されにくく、事業の総合的な収益性を示す財務レバレッジ(借入金)が高いと数値も高くなる傾向がある

    どちらを重視すべきか(視点の違い)

    ROAとROEのどちらを重視すべきかは、評価する立場によって異なります。

    ROAは、借入金を含むすべての資産を使ってどれだけ利益を生んだかを示すため、経営者や金融機関、取引先などが重視します。企業の総合的な収益力や、事業そのものの効率性を判断するのに適しています。

    一方、ROEは株主の投資効率を示す指標であるため、投資家や株主が最も重視します。ROEが高い企業は、株主の期待に応え、企業価値を高める力があると評価されます。

    ROA・ROEを改善する方法と経営への活用

    ROAやROEの数値を改善することは、企業の収益性向上と持続的な成長につながります。改善のアプローチは、計算式の分子である「利益」を増やすか、分母である「資産・資本」を減らすかの2つに大別されます。

    分子(利益)を増やすアプローチ

    利益を増やすための基本的な方法は、売上を伸ばすか、コストを削減することです。具体的には、新製品の開発や販路拡大による売上向上、原材料費や人件費などの経費削減、業務プロセスの見直しによる生産性向上などが挙げられます。これらの施策は、ROAとROEの両方を改善する効果が期待できます。

    分母(資産・資本)を減らすアプローチ

    分母を減らすアプローチは、ROAとROEで異なります。

    ROAを改善するには、総資産を圧縮します。例えば、遊休資産や不要な在庫の売却、売掛金の早期回収などを通じて、資産の効率化を図ります。

    ROEを改善するには、自己資本を減らす方法があります。例えば、自社株買いや増配を行うと、自己資本が減少しROEが上昇します。また、借入金を増やして事業投資を行う(財務レバレッジを高める)ことでも、自己資本比率が下がりROEは高まりますが、財務の健全性を損なうリスクも伴うため注意が必要です。

    システム活用による経営分析の効率化

    ROAやROEをはじめとする経営指標を正確に把握し、分析を効率化するためには、会計ソフトや経営管理システムの活用が有効です。これらのシステムを導入することで、財務データをリアルタイムに可視化し、迅速な経営判断が可能になります。

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    関連用語:ROI・ROICとは

    ROAやROEと混同されやすい経営指標に、ROIとROICがあります。それぞれの意味を簡潔に解説します。

    ROI(投資利益率)とは

    ROI(Return on Investment)は、投資した金額に対してどれだけの利益を得られたかを示す指標です。「投資に見合う成果が出ているか」を判断するために使われ、広告出稿やシステム導入、設備投資など、個別の施策の効果測定に向いています。

    たとえば、100万円を投資して20万円の利益が出た場合、ROIは20%です。数値が高いほど投資効率が良く、意思決定の判断材料として広く活用されています。

    ROAやROEが企業全体の収益性を見る指標であるのに対し、ROIは特定の投資単位の効果を測る点が特徴です。

    ROIC(投下資本利益率)とは

    ROIC(Return on Invested Capital)は、事業運営のために投下した資本全体に対して、どれだけの利益を生み出しているかを示す指標です。主に営業利益をもとに算出され、企業や事業単位での資本の使い方が効率的かどうかを評価する際に用いられます。

    短期的な投資効果を見るROIとは異なり、中長期的な経営判断や事業の収益性を把握するための指標です。

    ROAやROEが財務諸表ベースの指標であるのに対し、ROICは事業に投下した資本の効率性に着目します。

    まとめ

    ROAとROEは、企業の収益性を異なる視点から分析するための重要な経営指標です。ROAは企業全体の資産効率を、ROEは株主資本の収益性を示します。両者の違いを理解し、自社の業種や事業特性に合わせた目標値を設定することが大切です。

    これらの指標を定期的に分析し、改善策を実行することで、企業の財務体質は強化されます。経営状況を正確に把握し、データに基づいた戦略的な意思決定を行うために、会計ソフトなどのITツール活用もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。

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