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決算書の読み解き方とは?初心者でもわかる財務三表の見方と分析ポイント

決算書の読み解き方とは?初心者でもわかる財務三表の見方と分析ポイント

業務をおこなう中で、会社の数字を意識した活動ができているでしょうか。当然、自分に与えられた目標数字は意識をせざるを得ません。さらにそれだけではなく、自社や協業先、競合相手が公開している決算書を読み解くことができれば、仕事の幅は広がります。

しかし、たとえ簿記の資格を持っていても、見るべき決算書の数字を押さえることができている人は意外と少ないのが実情ではないでしょうか。本記事では、会社の数字を読み解くための決算データの勘所について解説します。

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目次

    決算書とは

    決算書とは、企業が一定期間の経営成績や財務状態をまとめた報告書のことです。正式には「財務諸表」と呼ばれ、企業の利害関係者(株主、取引先、金融機関など)に経営状況を報告する目的で作成されます。

    いわば「会社の健康診断書」のようなものであり、その数字を読み解くことで、会社の収益力や安全性、将来性などを客観的に把握できます。

    決算書を自動作成・分析できる会計ソフトもあります。以下の記事では、おすすめのの会計ソフトを紹介しています。あわせて参考にしてください。

    関連記事 【監修】おすすめの会計ソフト16選比較!規模・目的別に比較

    決算書を読む目的

    決算書を読む目的は、立場によってさまざまです。例えば、経営者であれば自社の経営課題を発見し、改善策を立てるために読みます。営業担当者なら、取引先の与信管理、つまり「取引しても問題ない会社か」を判断するために活用します。

    また、投資家は投資判断の材料として、金融機関は融資の可否を判断するために決算書を分析します。このように、ビジネスのあらゆる場面で決算書を読み解くスキルは役立ちます。

    決算書の主な構成要素「財務三表」とは

    決算書の中心となるのは、「財務三表」と呼ばれる3つの書類です。それぞれ役割が異なり、これらをあわせて見ることで、会社の状況を多角的に理解できます。

    • 貸借対照表(B/S):会社の財政状態(資産・負債)がわかる
    • 損益計算書(P/L):会社の経営成績(儲け)がわかる
    • キャッシュ・フロー計算書(C/F):会社の現金の流れがわかる

    これら3つの書類は互いに関連しており、セットで読み解くことが重要です。次章から、それぞれの書類の見方を詳しく解説します。

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    貸借対照表(B/S)の読み解き方

    貸借対照表(B/S、Balance Sheet)は、決算日時点での会社の財政状態を示す書類です。会社が「どのような資産をどれくらい持っているか」と「その資産をどのような方法で調達したか」を一覧で確認できます。

    B/Sの構造(資産・負債・純資産)

    B/Sは、左側の「資産の部」と右側の「負債の部」「純資産の部」で構成されています。左右の合計金額は必ず一致するため、「バランスシート」と呼ばれます。

    ■資産の部(左側)
    会社が保有する財産を指します。現金、売掛金、土地、建物などが含まれます。
    ■負債の部(右側)
    返済義務のある他人資本です。買掛金や借入金などが該当します。
    ■純資産の部(右側)
    返済義務のない自己資本です。株主からの出資金や、 これまでの利益の蓄積である利益剰余金が含まれます。

    簡単にいえば、右側で「どうお金を集めたか」、左側で「集めたお金を何に使っているか」を示しています。

    見るべきポイント(自己資本比率、流動比率)

    B/Sから会社の安全性を読み解くには、いくつかの経営指標が役立ちます。特に重要な2つの指標を紹介します。

    ■自己資本比率
    総資産に占める自己資本(純資産)の割合を示す指標です。この比率が高いほど、返済不要の資金で経営が賄われていることを意味し、財務の安全性が高いと判断できます。
    計算式は「自己資本比率(%)= 純資産 ÷ 総資産 × 100」です。業種にもよりますが、一般的には40%以上あると安定しているといわれます。
    ■流動比率
    流動比率は、1年以内に現金化できる「流動資産」と、1年以内に返済が必要な「流動負債」のバランスを見る指標です。短期的な支払い能力、つまり資金繰りの余裕を示します。
    計算式は「流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100」です。この比率が100%を下回っていると、短期的な支払いに窮する可能性があるため注意が必要です。

    損益計算書(P/L)の読み解き方

    損益計算書(P/L、Profit and Loss Statement)は、一定期間(通常は1年間)の会社の経営成績を示す書類です。「売上」から「費用」を差し引いて、最終的に「利益」がどれだけ残ったかを表します

    P/Lの構造(5つの利益)

    P/Lは、上から下に売上高から各種費用を差し引いていく形で、段階的に5つの利益が計算される構造になっています。それぞれの利益の意味を理解することが重要です。

    ■売上総利益
    売上高から売上原価(商品の仕入れ代など)を差し引いた利益です。 粗利とも呼ばれ、商品やサービスの基本的な収益力を示します。
    ■営業利益
    売上総利益から販売費及び一般管理費(人件費や広告費など)を差し引いた利益です。 企業が本業でどれだけ利益を上げているかを表します。
    ■経常利益
    営業利益に営業外収益(受取利息など)を加え、 営業外費用(支払利息など)を差し引いた利益です。 本業と財務活動を含めた総合的な収益力を示します。
    ■税引前当期純利益
    経常利益に特別利益や特別損失などの臨時的な要因を加減した利益です。
    ■当期純利益
    税引前当期純利益から法人税などを差し引いた、 最終的に会社に残る利益を指します。

    見るべきポイント(売上総利益率、ROEなど)

    P/Lからは会社の収益性を分析できます。ここでは代表的な指標を2つ紹介します。

    ■売上総利益率
    売上総利益率は、売上高に対する売上総利益の割合です。この比率が高いほど、商品やサービスの付加価値が高く、収益性が高いことを意味します。業界平均と比較することで、自社の競争力を測る目安になります。
    ■ROE(自己資本利益率)
    ROE(Return On Equity)は、自己資本(純資産)に対してどれだけの当期純利益を生み出したかを示す指標です。株主から集めたお金をいかに効率的に使って利益を上げているかを表し、投資家が重視する指標の1つです。
    計算式は「ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」で、一般的に10%を超えると優良とされています。

    キャッシュ・フロー計算書(C/F)の読み解き方

    キャッシュ・フロー計算書(C/F、Cash Flow Statement)は、一定期間における現金の増減を表す書類です。P/L上の利益と、実際の現金の動きは必ずしも一致しません。C/Fを見ることで、会社の資金繰りの実態を把握できます。

    C/Fの構造(営業・投資・財務)

    C/Fは、現金の増減理由を3つの活動に分けて表示します。それぞれのプラス・マイナスが何を意味するのかを理解することが重要です。

    営業キャッシュ・フロー
    本業の営業活動による現金の増減を示します。 この数値がプラスであることが、健全な経営の基本とされています。
    投資キャッシュ・フロー
    設備投資や有価証券の売買など、投資活動による現金の増減です。 成長のための投資を行っている場合、マイナスになるのが一般的です。
    財務キャッシュ・フロー
    金融機関からの借入や返済、増資など、 資金調達に関する活動による現金の増減を示します。

    黒字倒産を防ぐためのチェックポイント

    P/L上では利益が出ているのに、手元の現金が不足して倒産してしまうことを「黒字倒産」といいます。これは、売掛金の回収が遅れたり、過剰な在庫を抱えたりすることで発生します。

    C/Fを確認すれば、このような危険な兆候を早期に発見できます。特に「営業キャッシュ・フロー」がマイナスになっている場合は、本業で現金を生み出せていない状態であり、注意が必要です。健全な企 業は、営業CFで得た現金を投資CFや財務CF(借入返済など)に充当するサイクルができています。

    決算書から経営状況を分析する視点

    これまで紹介した財務三表や各種指標は、単独で見るだけでなく、体系的に分析することが大切です。決算書を分析する際は、主に「収益性」「安全性」「成長性」の3つの視点を持つと、会社の全体像をより深く理解できます。

    収益性(儲かっているか)

    収益性は、会社がどれだけ効率的に利益を生み出しているかを見る視点です。主に損益計算書(P/L)の数字を使って分析します。

    売上総利益率や営業利益率で本業の儲ける力を、ROE(自己資本利益率)で資本の効率性を確認します。これらの指標が改善していれば、収益力が高まっていると判断できます。

    安全性(倒産しないか)

    安全性は、会社の支払い能力や財務体質の健全性を見る視点です。主に貸借対照表(B/S)の数字から判断します。

    自己資本比率で中長期的な安定性を、流動比率で短期的な支払い能力を評価します。安全性が高い会社は、景気の変動や突発的なトラブルに対する抵抗力が強いといえます。

    成長性(将来伸びるか)

    成長性は、会社が将来どれだけ大きくなる可能性があるかを見る視点です。過去数年分の決算書を比較して分析します。

    売上高や利益が毎年どれくらい伸びているか(増収率・増益率)を確認します。また、キャッシュ・フロー計算書(C/F)の投資キャッシュ・フローがマイナスであれば、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている可能性があります。

    会計ソフトを活用して決算書作成・分析を効率化しよう

    決算書の作成や、各指標を手計算で分析するのは手間がかかります。特に中小企業では、経理担当者が限られているため、大きな負担になりがちです。

    会計ソフトを導入すれば、日々の取引入力から決算書の作成までを自動化できます。さらに、多くのソフトには経営指標を自動で算出し、グラフなどで可視化する機能が搭載されています。

    これにより、専門的な知識がなくても自社の経営状況をリアルタイムで把握し、迅速な意思決定につなげることが可能です。

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    まとめ

    普段の仕事の中で、損益計算書を見ることは意外と多いかもしれません。損益計算書は理解がしやすいうえに、企業の目標数値も、売上や利益を使って示されることが多いからです。しかし、なじみの薄い貸借対照表についても理解を深めれば、仕事の質を高めるために効果があるはずです。経済新聞や経済紙をより深く理解できるようにもなるでしょう。会社の数字を読み解く能力を高めて、ビジネスマンとして成長するきっかけにしてください。

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