VPNとは
VPN(Virtual Private NetWork)とは、暗号化技術によって安全な通信環境を作り、 インターネットなどの公衆回線を、仮想的な専用回線として利用するものです。拠点間の接続には専用回線や設備が必要でした。VPNを利用することで、物理的な設備を構築することなく社外からアクセスできます。
【図解】VPNの主な4種類と違い
法人向けVPNは、利用する回線の種類によって大きく4つに分類されます。それぞれにコストやセキュリティ、通信品質の面で特徴があるため、違いを理解することがVPN選びの第一歩です。
| 種類 | コスト | セキュリティ | 通信品質・速度 | 導入・運用の難易度 |
|---|---|---|---|---|
| インターネットVPN | 低い | 普通 | 不安定(ベストエフォート) | 低い |
| エントリーVPN | やや低い | 高い | 比較的安定 | 低い |
| IP-VPN | 高い | 非常に高い | 安定(帯域保証) | 普通 |
| 広域イーサネット | 非常に高い | 非常に高い | 安定(帯域保証) | 高い |
インターネットVPN
インターネットVPNは、既存のインターネット回線を利用して仮想的な専用線を構築する方式です。導入が比較的容易で、コストを抑えられる点が大きなメリットです。一方で、通信品質は利用するインターネット回線の混雑状況に影響される「ベストエフォート型」が一般的で、通信速度が不安定になることがあります。セキュリティは強固な暗号化によって担保されますが、公衆回線を利用する性質上、他の方式に比べてリスクは高めといえます。
エントリーVPN
エントリーVPNは、比較的安価なブロードバンド回線(光回線など)を利用しつつ、通信事業者が提供する閉域網に接続する方式です。インターネットVPNよりは通信が安定しており、IP-VPNよりは低コストで導入できる、バランスの取れた選択肢といえます。コストと通信品質の両方をある程度重視したい企業に適しています。
IP-VPN
IP-VPNは、通信事業者が独自に保有する閉域網を利用して接続する方式です。インターネットとは完全に切り離されたネットワークのため、第三者からの侵入リスクが極めて低く、高いセキュリティを確保できます。また、通信帯域が保証されているサービスが多く、安定した高速通信が可能です。その分、他の方式に比べてコストは高くなる傾向にあります。
広域イーサネット
広域イーサネットもIP-VPNと同様に、通信事業者の閉域網を利用するサービスです。IP-VPNとの大きな違いは、ネットワーク設計の自由度の高さにあります。IPプロトコル以外の通信も可能で、より複雑なネットワーク構成に対応できます。ただし、導入・運用の難易度が高く、専門知識が求められるため、コストも最も高額になることが一般的です。
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VPNのメリット・デメリット
VPNには以下のようなメリット・デメリットがあります。導入前に確認しておきましょう。
VPNのメリット
VPNは、暗号化機能や安全なアクセス経路を構築するトンネリング機能などで、盗聴や改ざんから自社のデータを守り、通信の安全を確保できることが一番のメリットです。
また遠隔操作が可能なため、全国各地・海外などの拠点からもアクセスできます。さらにモバイル端末に対応した製品もあり、テレワークなど現代の働き方にも導入しやすいでしょう。
VPNのデメリット
公衆回線を利用するインターネットVPNは、時間帯によっては混雑します。そのため、通信速度が低下しやすい点がデメリットです。閉鎖網を使用するIP-VPNも併用するなどして、基幹業務に影響を及ぼさない工夫が必要です。
VPN経由の接続を遮断するサイトもあるため、アクセスできないケースがあることにも注意しておきましょう。
VPNの選び方
自社にあうVPNを選定するには、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。VPNの効果的な選び方を解説します。
1.セキュリティ方式と強度
VPNのセキュリティは、利用するプロトコル(通信規格)によって異なります。特にリモートアクセスで利用されることが多いのが「SSL-VPN」と「IPsec-VPN」です。
- ●SSL-VPN:Webブラウザの標準暗号化技術(SSL/TLS)を利用します。専用ソフトが不要な場合が多く、手軽に導入できるのが特徴です。Webアプリケーションへのアクセスなど、特定の通信のみを保護するのに適しています。
- ●IPsec-VPN:専用のソフトウェアや機器を使い、より広範な通信を暗号化します。拠点間接続や、社内システム全体へのアクセスなど、高いセキュリティが求められる場面で利用されます。
利用目的や求めるセキュリティレベルに応じて、適切なプロトコルに対応したサービスを選びましょう。
2.運用管理・保守・サポート体制
VPNの導入には専門知識が必要な場合もあります。特に社内にネットワーク担当者がいない場合は、設定代行や導入後の保守・運用までを任せられる、サポート体制が充実したサービスを選ぶと安心です。障害発生時の対応窓口や対応時間なども事前に確認しておきましょう。
3.通信速度(帯域保証型/ベストエフォート型)
通信速度は業務効率に直結する重要な要素です。「帯域保証型」は一定の通信速度が保証されているため、安定した通信が求められる場合に適しています。一方、「ベストエフォート型」は最大限の速度を目指すものの保証はなく、回線の混雑状況によって速度が変動します。コストとのバランスを考え、自社の業務内容に適したタイプを選びましょう。
4.SLA(サービス品質保証)
SLA(Service Level Agreement)とは、サービスの品質保証制度のことです。通信速度や稼働率、障害からの復旧時間などについて、事業者が保証する品質基準が定められています。万が一、基準を下回った場合には料金の減額などが行われます。特に基幹業務でVPNを利用する場合は、SLAの有無や内容を確認することが重要です。
5.スマートデバイス端末への対応
テレワークの普及に伴い、スマートフォンやタブレットから社内ネットワークにアクセスする機会も増えています。利用したい端末のOS(iOS、Androidなど)に対応しているか、マルチデバイス対応が可能かを確認しましょう。
6.利用料金・コスト
VPNの料金は、初期費用と月額費用で構成されます。料金体系はサービスによって異なり、利用する回線の種類や拠点数、ユーザー数、オプションなどによって変動します。複数のサービスから見積もりを取り、コストパフォーマンスを比較検討することが大切です。
7.その他(海外利用・必要な機器)
海外に拠点がある場合は、海外からのアクセスに対応しているかを確認する必要があります。また、VPNの導入には専用ルーターなどの機器が必要になる場合があります。機器がレンタル提供されるのか、自社で購入する必要があるのかも確認しておきましょう。
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ITトレンド編集部おすすめのVPN製品比較
VPNサービスは、大手通信キャリアから専門のベンダーまで、さまざまな企業が提供しています。サービスを選定する際は、これまでに解説したポイントを踏まえ、複数の製品を比較することが重要です。
製品比較を行う際は、以下のような項目を一覧表にまとめると、各社のサービスの違いがわかりやすくなります。
| 項目 | A社サービス | B社サービス | C社サービス |
|---|---|---|---|
| VPNの種類 | IP-VPN | インターネットVPN | エントリーVPN |
| 参考価格(月額) | 要問い合わせ | ○○円〜 | ○○円〜 |
| 帯域保証 | あり | なし | 一部あり |
| サポート体制 | 24時間365日 | 平日9:00〜17:00 | オプションで対応 |
| SLA | あり | なし | あり |
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自社に合うVPNを選定しよう
VPNの選び方に迷わないために、7つのポイントを紹介しました。ほかにも、自社の業務に応じた機能や設置形態などのチェックポイントがあるはずです。ここで取り上げた内容をヒントに、自社の「チェックポイント」をまとめたうえでVPNを比較検討しましょう。



