勤怠管理システムは自作できる
働き方改革により、労働時間の客観的な把握が義務化するなど、企業には適切な勤怠管理が求められています。勤怠管理システムを導入する企業が増える一方、「できるだけコストをかけずに勤怠管理を行いたい」「勤怠管理システムの自作を検討したい」と考える企業も少なくはないでしょう。
勤怠管理システムは自作できます。自作方法として、エクセルやプログラミング、業務アプリを用いるやり方があります。各作り方について、以下で解説するので確認しましょう。
1.エクセルを活用
エクセルのマクロやテンプレートを活用すれば、コストをかけずに比較的容易に勤怠管理表が自作できます。
ただし、入力ミスや数式が壊れることによるデータの消失・改ざんなどのリスクがないとはいえません。法改正などがあるたびに計算方法や関数を見直す必要もあるでしょう。
以下の記事では、エクセルで勤怠管理表を作る方法を紹介しています。エクセルでの勤怠管理を行う場合の注意点についても解説しているので、ぜひ一読ください。
2.プログラミング言語を用いて開発
「Java」「PHP」「Python」などのプログラミング言語を用いて、勤怠管理システムを自作する方法もあります。自社に最適な勤怠管理システムを構築できる可能性がある一方、専門的な知識が求められ、時間や人的コストはかかるでしょう。
なお、プログラミングを用いた勤怠管理システムのデータベースを自作する方法を後項で紹介します。
3.ノーコード・ローコードツールを用いて開発
ノーコード・ローコードツールを利用することで、プログラミング言語を用いずに勤怠管理アプリの自作も可能です。ただし、機能が限られている場合も多く、独自の就業規則や運用ルール等には対応できない可能性もあります。
勤怠管理システムのデータベースを自作する方法
勤怠管理システムを自作する3つの方法のうち、特にハードルが高く感じられるのが「プログラミング言語を用いた開発」でしょう。ここからは、プログラミングを用いた勤怠管理システムのデータベースを自作する手順について解説します。
1.開発に必要な要件を定義する
一般的なシステム開発も同様ですが、実際の作成に移る前に要件を定義する必要があります。例としては、以下のようなものがあります。
- ・どのような項目を記録するのか
- ・対応する端末やブラウザの種類
- ・データ出力の形式
上記はあくまで一例です。細かい内容を洗い出せば、他にも決めなければならない項目はあるでしょう。
2.機能を細分化し、テーブルを設計する
要件を定義し、仕様を策定した後は、データを蓄積するためのテーブルを設計します。データのテーブルは必要な機能ごとに作成する必要があります。
- ・1日あたりの労働時間=出勤時刻・退勤時刻・休憩時間
- ・出勤時刻の記録=ユーザー名・打刻ボタンを押した時刻
一つの情報を記録する際に、「どのデータがあれば正確に記録できるか」を考え、最小単位まで分解してテーブルを設計します。
3.フィールドごとに必要なデータ型を決定する
必要なデータのテーブルを洗い出したら、次はテーブルごとにデータの型を決定しましょう。
データベースにおけるデータの型は、大きく「数値データ型」「文字データ型」「日付・時刻型」などがあり、それぞれの管理項目にどの型を使用するかを決定します。
4.テーブルを結合する
複数データテーブルを参照し、一つのデータとして出力する場合に必要な作業です。例えば、従業員の名前・住所・連絡先といった基本情報と従業員ごとの勤怠データを管理するテーブルは別にしておき、表示させるときは結合して表示させましょう。
結合させる際には、キーとなる共通要素(従業員IDなど)を必ずテーブルに含めるようにしましょう。
5.画面上に表示できるようにする
データベースを設計できたら、そこから情報を抽出・処理し、画面上に表示させます。処理部分は「Java」「PHP」「Python」などのプログラミング言語を用いて開発します。Webサービスにおいては特に「Java」と「PHP」の違いはそこまで重要ではありません。
表示させる部分についてはシステムの提供形態によって変わりますが、Webアプリであれば「HTML」「CSS」「JavaScript」などのプログラミング言語で開発することが一般的です。
勤怠管理システムの開発を成功させるポイント
自社で勤怠管理システムを開発するために気をつける点を解説します。
導入目的や必要な機能を可視化する
勤怠管理システムを開発するには、社内で導入する目的を明確にすることからはじめます。解決したい課題や導入目的を明らかにすれば、必要な機能などの要件がはっきりするためです。システム開発において、要件の定義は完成度を左右する最も重要な工程であり、慎重に行いましょう。
勤怠管理システムに必要とされる主な機能は次のとおりです。
- ■出退勤の打刻
- 従業員の勤務形態にあった打刻手段の構築が必要。打刻忘れのアラート機能などがあるとよい。
- ■残業・休暇の記録
- 残業時間や休暇の取得状況などの管理が必要。残業過多や休暇取得などの通知機能があるとよい。
- ■就業データの集計・出力
- 総労働時間・残業時間・休日労働時間・欠勤日数・休暇取得日数などの項目ごとに集計・CSV出力できるとよい。
- ■外部システムとの連携
- すでに導入している人事管理システムやワークフローシステムなどと連携できると便利。
他企業の導入事例を参考にする
同業種・同規模の成功事例を参考にしてみましょう。PCのログオン・ログオフ機能との連動や、各拠点データの集中管理など、他社の事例から要件定義や開発に活かせるでしょう。
補助金制度を利用する
コストがネックとなり、システム開発を踏みとどまっている企業も多いのではないでしょうか。国が支援する補助金制度を活用するのも一つの手です。
システム開発に利用できる補助金制度の一例は、次のとおりです。
- ●ものづくり補助金
- ●IT導入補助金
- ●小規模事業者持続化補助金
- ●事業再構築補助金
そのほか、地方自治体の補助金制度が用意されている場合もあります。基本的に一つのプロジェクトにつき一つの補助金が承認されるため、条件や金額などを比べて自社に適したものを選ぶようにしましょう。
勤怠管理システムを自作する場合の注意点
自作の勤怠管理システムを運用する際には、法令遵守の観点で気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。運用後に後悔することがないよう、勤怠管理システムを自作した場合のデメリットについても事前に押さえておきましょう。
法改正への対応が必要
勤怠管理に関連した法律の改正は頻繁に行われます。その都度、違反しないように変更点を勤怠管理システムに反映させなければなりません。常に最新の制度を知っておく必要があるうえに、正しい理解・更新作業が求められるでしょう。結果としてメンテナンス工数や人的コストが増える可能性もあります。
エクセルは不正や改ざんが容易
前述したとおり、エクセルで自作した勤怠管理表の場合、自己申告に依存するため、意図的な改ざんも簡単にできてしまいます。また、働き方改革関連法の法改正により、2019年4月より従業員の労働時間を客観的な記録方法で管理する義務が課されており、エクセルでは客観的な記録とみなされない可能性もあるため注意が必要です。
専門知識をもつ人材が常時必要
いずれの方法で勤怠管理システムを自作した場合でも、運用後のメンテナンスは必須です。システムトラブルが生じる可能性もゼロとは言いきれません。各システムに対して一定の知識をもった人材が必要になるでしょう。
また、システムの管理やメンテナンスが属人化してしまうと、担当者の異動や退職によってシステム運用が滞ってしまう恐れもあります。人員確保や育成のコストも必要でしょう。
勤怠管理システムの開発を外注する方法
知識があれば誰でもエクセルやプログラミングで勤怠管理システムを自作できますが、年々就業環境や雇用形態の多様化により、勤怠管理が複雑化しています。法に遵守した管理という観点からも、完成度の高いシステムの構築が求められるでしょう。
そこで、システム開発を外注するのも一つの手です。保守費用は定期的に発生しますが、長期的に見れば、サブスクリプション制のクラウド型よりも安く導入できる場合もあります。さらに、低コストで導入できる勤怠管理のなかには、自社の要件にあわせてカスタマイズ可能な製品もあります。コストと開発・運営工数などを比較し、システム開発の外注やシステム導入時における初期設定の外注も視野に入れてみるのがおすすめです。
おすすめの勤怠管理システム
数ある勤怠管理システムのなかでも、低コストで導入できるクラウド型が人気の傾向です。主にユーザー数による従量課金制で初期費用が無料であることや、インターネット上での打刻ができるためテレワークにも対応できる点などが強みでしょう。
ここからは、ITトレンドにおいて問い合わせ数が多かった上位3製品を紹介します。
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ジョブカン勤怠管理を利用したユーザーの口コミ
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※"ー"の情報はITトレンド編集部で確認できなかった項目です。詳細は各企業にお問い合わせください。
KING OF TIME 勤怠管理を利用したユーザーの口コミ
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細かい設定を行うときにもう少し細かい設定や細かい説明があると操作が簡単になるかと思います。これを設定するとこの様な設定となりますのような。 ヘルプを見ながら設定を変えていることが多々あるので。もう少しワンクリックで設定を行えるとなお良いかと思います。
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以下の記事では、おすすめの勤怠管理システムを紹介しています。低コストで利用したい方向けの勤怠管理システムや、自社のルールにあわせたい方向けの勤怠管理システムなど、さまざまなニーズに適した製品を紹介しています。ぜひ比較検討に役立ててください。
「自社に合う製品を診断してから資料請求したい」、「どんな観点で選べばいいかわからない」という方向けの診断ページもあります。
自作方法を理解し自社に最適な勤怠管理システムを構築しよう
勤怠管理システムの自作は可能です。しかし、度重なる法改正への対応やプログラミング知識などがハードルとなることも多いといえます。コストと工数、万が一のリスクをよく検討し、カスタマイズ可能なシステムの活用や、システム開発会社の利用なども考えてみるとよいでしょう。
製品導入を後回しにするほど、見えないコストや手間は膨らみ続けます。まずは各社の製品資料を比較し、自社にあった選択肢を検討することが、業務改善への第一歩です。





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